10年もののバグ

2024-05-29 日本語

もう20年近く稼働するシステムの不具合報告。「まさか…？」と思いながら（久しぶりに）サーバにアクセスしてログやデータを辿ります。報告にあった通りの奇妙な挙動を発見…嫌な汗が噴き出します。。その日は他にもエラーログなどを探りますが、それ以上の手掛かりを得られず。後日の定例会でも話題になり、他に調査してくれたメンバーからも、何が起こっているのか分からない…と。大切な発注データが歯抜けになって消えている、しかし、取引先には（消えたはずの）データが飛んでいるので、物流自体は回っている様子。

「これ、前にもありませんでしたっけ…？」という発言から出てきた当時の担当者の名前などを入れつつ過去のメールボックスを検索すると…ちょうど10年前に全く同じ調査をしていたやり取りが発掘されました。10年前というか稼働当初からあった不具合なのですが、不都合はあるものの、大規模な改修までは出来ないとの判断で運用で回避しようと保留になり続けていたものでした。ちょうど5年前にもこのメールを（当時の担当者が）別のところに転送した形跡があって、ちょうど5年ごとに浮上してきているようです。

バグが仕様になって、その仕様に合わせてビジネスが回り続けています。どこかで聞き齧った受け売りですが、もはやITシステムは「便利な道具」ではなくて企業における「ビジネス」そのものです。歴史を感じるとともに、作る側の責務（受入テストをパスしたからOKでなくて、その後も継続的に維持管理をお手伝いできる体制とか後続への漏れのない引き継ぎとか）を改めて見直さなければと思う出来事でした。

写真は、息子(4)が描いてくれた「Nintendo Switchに興じるお父さん」