見積

2022-03-05 日本語 /posts/2022/2022-03-05-ocr-and-locomotive.jpg

日本語の対応はまだもう少しなんですが、iPhoneのカメラについている文字読み取り機能を自分達で実装しようとしたら、いくらくらいかかるのかという話になったことがあります。パッケージでも数百万はするんじゃないの…という感じでしたが、数百万(あるいはもっと)かけて、それなりのものが出来たら良いけど、失敗する可能性もあるよね、と思います。

メールサーバを立てる、というのも昔は(今でも)一苦労で、それなりにOSやネットワークの知識を必要とします。細かく要件を立てていったら、「メールサーバをたてる」という仕事に対してでも百万円超えの見積を作るのは、そんなに難しくない気がします(横文字のセキュリティソフトの名前とかいっぱい並べる感じ)。だけど、大体においてお客さんがやりたいことは「メールを送る・受け取る」だけなので、無料のGmailとかで全然良いわけです。もうちょっと真面目にしたかったらGoogle Workspaceとか(他にも色々あると思います)。

ECサイトも同じく、やっぱり物流の観点も含めて細かく作り込んでいくと数百万〜数千万は当たり前なんですけど、小規模な場合やロジスティクスは別で管理できるなら、shopifyやbaseのようなサービスを使えば、ランニングコストだけで月数千円と「桁」が変わります。

桁が変わるという事例で、授業などでよく例に出すのが、iPhone。1980年代にこれと同じ計算性能を手に入れようと思ったら、10億円くらいの巨大なスーパーコンピュータを買う必要がありました。これを今は、たくさんの人がポケットや鞄に入れて持ち歩いています。

これくらいの勢いで技術革新が続いているので、ちょっとある分野に没頭していて、久しぶりに戻ってきたりすると、大抵は「浦島太郎」状態になります。最近の自分の周りでも(もちろん自分自身も含めて)、そういう状態にあるケースがほとんどなので、むしろそれがデフォルトだと思って、謙虚に知識をアップデートする姿勢を持つことが大事かなと思います。ただ、もちろん(念のため)、なんでもかんでも最新で最安のものが最良、という意味ではありません。数千円でECサイトが作れる時代に数千円かけて、自前で作り込み、ほとんどの人が気づけないくらいの僅かな差別化でもって勝ちに行くという戦略だって当然成立するはずです。