義祖父が書いた戦時中の手記(を中心に、お孫さんたちが本の形にまとめたもの)を頂いて拝読しました。
(義祖母が特攻隊の出撃を見送った後) 四人のあの人達が無事に突撃に成功しただろうか、まだだろうか、今だろうか、もう終わったのだろうか、時計の針を追いながら、私はこの日の息苦しかったことを終生忘れることは出来ない。
信は力なりと。我が信を貫くべし。右顧左眄(うこさべん)を止めよ。
戦場は人生に於ける最も充実せる、最も美しき、最も神厳なる所なりと思ふ。刹那主義に惰し、分別を忘れ、性格を無視する所に非ず。
すべてを探求せよ。あらゆるものを知れ。然らば生の楽しみも又自ら沸くべし。
人生に何が起こるのか予測はつかない。二人の人生を振り返ると、そんな言葉がチラつく。予測がつかないから、投げた人生を送るのではない。予測がつかないから、一生懸命生きるのである。
戦争ほど悲惨なものはない、絶対に与してはだめだ、というお題目は毎日のように目にしますし、もちろん正しいことなのですが、こうした実話を通じて内情を知るにつけ、国家という大きな何かがそちらに傾いてしまうと、もはや個人の力ではどうしようもない、ということを痛感します。家族や大切な人、国を守ろうという思いが強く優しい人ほど、殺し合いの渦の中に深くコミットして行きます。
じゃあどうすればいいの?という問いに対する答えを、あれから80年経ってもまだ人類は見つけきれていないように見えます。しかし、こうしてありのままに起こったことを語り継ぐというのは、そのために必要な一つのことではあると思います。(会ったことないけど)「おじいちゃん、Good Job!」と言いたい(笑)