2020年ごろからお手伝いしている「子商いマルシェ」の流れを汲む「こども市」の準備の記録、兼、勉強会のネタとしてまとめています。以下のスライドは、子ども向けといいつつ、原価とか販管費みたいな用語はゴリゴリに使ってます。これは決してサボっている訳ではなくって、小さな子でも電車とかポケモンとか必殺技とか呪文とか、めちゃくちゃ覚えてる訳だから、別に子ども用に変に簡素化しなくてもいけちゃうんじゃ?!という信念に基づくものです(言い訳)。
伊藤家では「バスボム」を作って売ることにしました。儲けを出す基本は「安く仕入れて高く売る!」これに忠実に行きましょう。
主に必要な材料は重曹とクエン酸です(形を作るときの型とか香油や塩などは、今は割愛)。 まずは仕入先を選ぶために価格調査。うちの近くでは以下の2つが候補になりました。
D店 | K店 | |
---|---|---|
重曹 | 250g 110円 | 1Kg 298円 |
クエン酸 | 120g 110円 | 400g 348円 |
どちらが安いでしょうか?
…こういう時は、割り算の出番です!もし1gだけ買うとしたらいくら?と考えてみましょう。
D店 | K店 | |
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重曹 | 0.44円 | 0.30円 |
クエン酸 | 0.92円 | 0.87円 |
K店の方が少し安いですね!
次は、バスボムを1個作るのにいくらかかるのかを計算します。それぞれ30gずつだとすると、0.3 x 30 + 0.87 x 30 = 35.1円 ですね。(実際はこぼしたり失敗したりで、この倍は必要かも(^^; そういう余分に必要な量(割合)のことを「歩留り」と言います。
材料だけではありません。他にどんなお金が必要でしょうか?
「値決めは経営である」という有名な言葉がありますが、あと一歩で経営者になれるかも!?
最後に考えるのが、一番難しい問題です。一個いくらで売りますか?
以下のグラフはある値段でバスボムを売った時に手に入るお金(売上)と、作るのにかかるお金(原価)と、その差し引き(利益)を横軸に並べたものです。矢印で示した点を「損益分岐点」と呼びます。売れる数がこの点より少ないと損をして、多ければ利益が残るというポイントです。これを何個にするか?!が値段を決める際の一つの大切な指標になります。
安くすればお客さんは喜んで買っていくかもしれないけれど、お金は少ししか残らないので、なんだか残念ですよね。高くしたらお金は稼げるかもしれないけど、喜んで買ってくれる人が減るかもしれません(減りすぎると、損益分岐点の左側に行ってしまって、結局損をしてしまいます!)。
もう一つよく聞く言葉「売り手によし、買い手によし、世間によし」。最近だと「地球によし!」かもしれません。この辺を意識した売り手、買い手が少しずつ増えている気がします。もちろん、ここまで考えるのは今は大変かもしれませんが(大人だって難しいです)、ちょっとずつでも何かできると良いですね。