預言者としてのAI

2023-07-14 日本語 /posts/2023/2023-07-14-kawaminami-river.jpg

TIMOという会議支援ツールのデモを拝見させて頂く機会がありました。音声認識の機能があって、会議中の発言がリアルタイムにテキストに落とされていく機能をベースにして、ChatGPTを利用して、議事録の要約やその後のアクションを取るべき事項(いわゆるTODO)を自動的に抜き出してくれたり、資料を読み込ませておくと、その知識を前提として質問に答えてくれたりします。この機能はまだベータ版だそうですが、社内の様々な文章をあらかじめ学習しておいてくれた上で、会議の中で随時引用しながら情報を捕捉してくれるようになったりすると、なかなか面白そうです。

一方で懸念というか、これでいいのかな?と思うのは、TIMOに限ったことではないのですが、AIに「要約」という最も大事な意思決定に関わる部分を任せてしまおうという風潮です。アドバイザーとして傍に置いておく使い方ではなく、「AIの導いた結論だから」とまるで「ご神託」をくれるツールのように使われてしまわないかという気がします。あるいは、直接言いにくいことを「代弁」して言ってもらうとか、「最終決定」をAIに任せてしまって、誰も責任を取らなくて済むようにしてしまったりという目的に利用されていきそうな気がします。

最先端のAIを導入しまくった結果、卑弥呼の時代のような政治体制に戻ってしまう組織も出てくるのではないかなぁと感じます。まあ、人間だって暴走するし間違うので、別にそれでいいじゃん、というのも一理あるかもしれませんが。